コーチングセミナー(札幌)レポート

11月21日~22日、札幌市において、JVCAによるコーチングセミナーを実施しました。今回はJVCAの会長で、前FIVB理事・技術委員長、前JVA副会長・専務理事の豊田博さんを招いての研修となりました。

テーマは、「今、何が求められているのか?何が足りないのか?」~バレーボールコーチの学び合いを進めるために~ と題して、参加者のディスカッション、講師の講義とオンコートレクチャー、有志によるレベル別に応じたこれからの練習のオンコート提言・・・など盛りだくさんの内容で行いました。特に豊田博さんの講義とオンコートレクチャーは、設定時間を超えるほど熱の入ったもので、参加者は大いに刺激を受けました。

参加者ディスカッション

会のスタートは、参加者がグループをつくり、互いに自分の考えや思いを語り合う時間を設けました。指導者として課題に感じていること、その課題に対するアドバイスなどが活発になされました。ここでは、「私たちはなぜバレーボールのコーチングに携わっているのか?」「どんな環境でも見失ってはならないことは何か?」といった部分にも話題がおよび、全体で共有しました。勝利や実績という結果以上に、指導者としての理念・哲学の何を中心に据えるか。それは目の前の選手の成長やクオリティー・オブ・ライフ、充実感といった、まさにプレーヤーズ・ファーストの精神ではないでしょうか?そうすることで、指導者としてのメンタルも保たれ、前向きに指導やコーチングの学びにつながると思います。

豊田博さんの講義

今回は、「よりよいチーム作りにひつような組織とコーチングスキル」という題目で、指導現場において求められる、環境の整備、組織の充実、指導者の資質、選手へのアプローチなど多岐にわたる視点でのお話をいただきました。スキルの評価についての話題も参考になりました。長年の経験と世界的な視野に立ったお話は大変刺激を受けるものでした。

オンコート提言

3名の指導者による、これから求められるバレーボールの練習の方向性を、初心者・中級者・上級者の3つのコート割で参加者もローテーションしながら参観する形式で行いました。3つのコートに共通しているのは、「やらせない」「やらされない」という、プレーヤー主体の練習であること、そして飽きずにモチベーションと思考を高めていく練習の進め方、という点だったと思います。前にあった豊田さんの講義、そしてその後にあるオンコートレクチャーとの比較材料にもなると思いました。

豊田博さんのオンコートレクチャー

2日目のスタートは、豊田さんのオンコートレクチャーです。これ自体近年ではあまり見ることができないものだと思うので、大変貴重な機会を得ました。予定時間は90分間でしたが、それを大幅に超える豊田さんの熱気あふれるレクチャーとなりました。

「基本とは何か?」「基本の徹底を」・・・豊田さんはしきりに強調されておりました。そして指導者のアプローチや働きかけ、選手の動きの細部いたるまで、その徹底を見逃さないというきめ細やかな視点も大変参考になりました。選手のレベルをすばやく見極め、そのレベルに応じたドリルをいちはやく提供する。そして適切な負荷を設定しながらドリルを構築していくという点も大変参考になりました。あっという間に時間が過ぎていきました。

しめくくりのディスカッション

最後に2日間のセミナーを通して、参加者から質問や感想をいただきました。今回は小中高校、大学一般、選手の保護者と、多様なカテゴリの方々に参加していただきました。共通していたのは、「もっと学びたい」、「学びたいけどどうしたらよいかわからない」、「自分一人ではたちゆかない」・・・など、もっと多くの人がオープンに交流できる機会の必要性でした。今回はそんなニーズに応えることができたのが成果でした。遠く関東や東北からも参加者が来ていただき、またこのような機会があればいいなと思います。

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